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中世の物語

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ホトトギスの兄弟「鹿児島県民話」

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昔、むかしのお話。あるところに、貧しい兄弟がおりました。
弟のほうは大変優しく親切で、体の弱い兄の為に毎日毎日山へ行き、沢山の山芋を掘って来ては、その芋を煮て兄に一番おいしい部分を食べさせておりました。
反対に、自分は芋の蔓や先端の部分など、あまり美味しくないものをこっそりと食べていました。

しかし、自由に外出することのできないことの出来ない兄はすっかりひねくれており、
「自分だってこんなに旨い芋を食べられているのだから、あいつは隠れてもっともっと旨いものを食っているのだろう。」
そう考えては、弟の持ってくる山芋に不平ばかり述べておりました。
hototogisu

自分は満足に食べられず栄養が不足しても、せっせと兄の為に毎日山芋を取ってくる弟。
そんなある日のこと、弟はとうとう疲れて動けなくなり、倒れてしまいました。

「あの弟め、自分ばかり旨いところを腹いっぱい食べて寝転んでいやがる。」

そんな弟の様子を見た兄は、ついに憎しみのあまり包丁で弟の腹を割いてしまいました。

弟の腹の中にあったのは、芋の蔓、芋の先端、筋張ってばかりの不味そうな山芋。
どれも決して美味しいと言えるものではありませんでした。

「あぁ、あぁ、そうだったのか。悪いことをしてしまった。すまない、すまない。」

弟を殺して初めて弟の優しさに気付いた兄は、後悔と悲しみのうちにとうとうホトトギスとなってしまいました。
そうしていつまでもいつまでも鳴き続けたのでした。

それ以来ホトトギスは

「掘って煮て食わそ

 弟恋し(おととこいし)」

と鳴くようになったということです。


「ホトトギスの兄弟」登場人物

<兄>
ホトトギスの兄。体が弱く、弟を羨み疑っている。
<弟>
ホトトギスの弟。兄想いで心優しい働き者。

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