» 三毛入野命の鬼八退治「宮崎県民話」

日本神話

日本神話

日本各国の風土記やアイヌ神話、
神社の社伝など古事記や日本書紀では
語られていない日本神話
御紹介致します。

三毛入野命の鬼八退治「宮崎県民話」

  • 登場人物
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
まだ評価されていません。

神代、高千穂は二上山の乳ヶ岩屋に、鬼八(キハチ)という悪神が住んでいた。
鬼八はあちこちを荒らし周っては人々を苦しめ、また山を下りてはアララギの里の鬼ヶ岩屋に住み、そこで七ヶ池に住む祖母岳明神が娘の稲穂姫のその娘、鵜目姫を無理矢理に閉じ込め妻としていた。

一方、神武天皇の兄のひとり三毛入野命は、海を渡る最中風波に船ごと押し流され、ひとり東征軍からはぐれてしまったので、せむかたなしに高千穂に戻ってきていた。

ある日、命が五瀬川のほとり七ヶ池を通ると、水面に憂い顔の姫の姿が映っている。何事かと問うてみれば、「鬼八という者に無理矢理に連れてこられて悲しんでいるのです」と姫が答えるので、「それではあんまりだ」と命は鬼八を退治することにした。

%e4%b8%89%e6%af%9b%e5%85%a5%e9%87%8e%e5%91%bd

命は数多の従者を連れて乳ヶ岩屋を攻めた。足の速いことで知られた鬼八は山を越え谷を駈け逃げ回ったが、二上山に戻ろうとしたところをついに斃された。しかし鬼八は魔の力が強く、そのまま遺骸を埋めると一夜にして蘇ってしまう。そこで命は鬼八の体を三つに切り分け、別々の地に埋めたところ、鬼八が蘇ることはなかった。
これは現在でも、首塚、胴塚、手足塚として高千穂の地に残っている。

ところが、その後は里に早霜が降り作物が育たなくなってしまった。困った里の人々がこれを「鬼八の祟りであろう」と言い、慰霊の祭を行うと、霜の降りるのは遅くなり五穀はよく実るようになった。高千穂神社の猪掛祭の由来である。

三毛入野命に助けられた鵜目姫は、命の妃となり、八人の御子を産んだ。そうしてこの地で十社大明神(命と姫と八人の子等を合わせて言う)として深い信仰を集めたのである。

(鵜目姫は自ら鬼八の妻となったのであり、それを三毛入野命が奪い取ったのだ、という異説も残っている)


「物語のタイトル」登場人物

<三毛入野命(みけいりのみこと)>
神武天皇の兄。記紀では東征の途中波に乗って常世国に向かったとされる。
<鬼八(きはち)>
走健(はしりたける)とも呼ばれる悪神。阿蘇地方にも伝説を残している。
<鵜目姫(うのめひめ)>
名と系図以外不明。

お話の評価

ページトップ