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古代の物語

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大江山鬼退治-酒呑童子-

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神代の昔、出雲国に八岐大蛇(ヤマタノオロチ)という大蛇がいて毎年贄を取るので出雲神を困らせていました。
しかしその大蛇は、高天原から天下られた須佐之男(スサノオ)によって退治されてしまいました。 そうして全身を切り裂かれた八岐大蛇は、その後伊吹大明神となりました。

 

それから長い時を経た頃、伊吹山に使える弥三郎という男がいました。この男は酒を喰らい生き物を喰らい、人々は困り果てていました。八岐大蛇の化身ではないかと勘ぐるものまで出てくるほどの横暴ぶりでした。

そんな弥三郎は、大野木殿という名のある侍の姫の元に夜な夜な訪れてはついに子を宿させます。

そうして生まれた子は、生まれてすぐだというのに黒々とした髪と歯を生やし人の言葉まで喋っていました。その赤子は、伊吹童子(イブキドウジ)と名付けられました。

伊吹童子が7歳の時の事でした。大野木殿は姫を孕ませたのが弥三郎だと知り、弥三郎を殺してしまいます。

そうして大野木殿は、弥三郎のように大いに酒を喰らう伊吹童子の姿を見て「この子こそ弥三郎の分身よ・・・」と言って童子を谷底へ捨ててしまいました。

 

次に伊吹童子が姿を表わすのは、比叡山で修行をする稚児としてです。

童子は行者の身でありながら酒を喰らっていたので、皆から煙たがられていました。

酒呑童子

その一方で彼は容姿端麗であっため、女は彼の周囲に寄付きました。しかし童子はその女らの思いを全て断り、挙句には恋文を喜々として燃やしてしまいます。童子に惚れた女らは恋煩いで皆死んでしまいました。

いつものように恋文を燃やしていた時の事でした。文から出る煙が女らの怨念を呼び、童子は鬼となってしまいます。

 

鬼となった童子は、酒呑童子と名を変えて丹波の大江山に住み着きました。

童子は山を動かすほどの怪力を持ち、空を稲妻のように翔け、多くの鬼神を従え狼藉の限りを尽くします。

その神通力を使って美しき稚児や乳母に化けては、毎夜毎夜と都の女娘をさらい宝を盗むのです――――――

 

「以上が都に現れる鬼酒呑童子である。この鬼の討伐を帝より賜った」

源頼光は渡辺綱、坂田金時、卜部季武、碓井貞光に討伐する酒呑童子の事を詳しく伝えました。

 

翌朝、源頼光、渡辺綱、坂田金時、卜部季武、碓井貞光に加えて藤原保昌、碓井貞光の7人は大江山に向かいます。

そうして山に入ると、一行は3人の翁に出会いました。この3人の翁は、自身を岩清水八幡大神、住吉明神、熊野権現の化身だと語ると2つの宝を一行に授けます。

「一つ目の宝は「神便鬼毒酒」という酒でこれを呑むと神通力が使えなくなる。」

「二つ目の宝は「星兜」という兜で矢でいられても矛で刺されても壊れない。」

宝を授かった一行は、翁の助言により山伏に化けて進む事になりました。

頼光たちは、翁の案内に従って大江山の奥へ奥へと進んで行きます・・・

(※後篇に続く)

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「大江山鬼退治-大江山-」登場人物

<源頼光>
初代摂津源氏で藤原道長の側近であり酒呑童子や鬼蜘蛛などを退治した人物
<酒呑童子>
大江山に巣食う鬼の大将
<渡辺綱>
頼光四天王の一人。四天王の中で最も若いが筆頭
<碓井貞光>
頼光四天王の一人。四天王の中で最年長
<坂田金時>
頼光四天王の一人。幼少期は金太郎というなで足立山に住んでいた
<卜部季武>
頼光四天王の一人。糸で下げた針をも射ることができる弓の名人

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