» 嫁脅し肉付きの面「福井県民話」

中世の物語

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平安時代の雅から一変武士の社会へと
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嫁脅し肉付きの面「福井県民話」

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まだ、世が応仁の戦火にみだれている頃のお話です。
越前の国金津というところに与惣次という農民が妻の清と母のおもとと一緒にくらしておりました。与惣次は信心深く仕事を終えると毎夜、清を連れて山寺まで出かけていました。
おもとは一人家に置いてきぼりにされ面白くありません。いつしか、その気持は清への恨み辛みとなっていったのです…

おもとは清に昼間の農作業が終わった後に粉を五升引くことを命じてお参りに行かせまいとしました。
しかし、清は粉を引き終わるとお寺へと出かけてしまいました。

おもとは、それが憎たらしく思い言いました。
「五升の粉を引いた後でもお参りに行きやがる。ほんなら、もっと引かせりゃ」

次の日は、一斗の粉を引かせたがお参りに行く清に恨みを募らせ続けたおもとは白い服と恐ろしい般若の面をつけ帰り道にある竹林で待ち伏せをしていました。

そこに都合よく清が先に竹林に近づいてきます。
おもとは鬼のような恐ろしい唸り声を上げながら言い放ちました。
「我は白山権現の使いなり。汝らは仏法にたぶらかされ仕事を怠け姑の意に背き、寺へ通っている。こらしめてくれん!!」

驚いた清は、念仏を唱えながら一目散に逃げてしまいました。

与惣次が来る前にしばらくの間、面を外そうとするのですが般若の面はおもとの顔に張り付き外れません。
いくら引っ張り面を剥がそうとしても外れない面に恐ろしくなり声を上げて泣きだしてしまいました。
嫁おどし肉付きの面「福井県民話」
顔を隠して無く母を見つけた与惣次は、母に事情を聞こうと声をかけます。
般若の面の間から涙を流す母の姿に驚きながらも事情を聞きました。
「おまえらをおどかしてやりゃとかぶった面がとれんようになって・・・」
おもとは事の一部始終を話してきかせました。

与惣次は、母を連れてお寺もどるとお寺に居らっしゃった蓮如上人はおもとに御仏の教えを説いき聞かせてくださりました。
教えを聞いたおもとは、手を合わせて「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏…」と念仏を唱えますと不思議なことに般若の面はおもとの顔からおちてしまいます。

しかし、必至で面を剥がそうと引っ張たせいかおもとの顔の肉が面にこびりいていたということです。


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