» 江ノ島の弁天様「鹿児島県民話」

中世の物語

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平安時代の雅から一変武士の社会へと
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江ノ島の弁天様「鹿児島県民話」

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煙草の花が薄紫に色づく時、鱶九郎という男が薩摩に必ず現れてといいます。
薩摩は煙草の名産地で畑という畑は、大人ほどの背丈まで伸びた煙草でいっぱいになっています。

鱶九郎とその子分は、その煙草畑に隠れてはうら若く器量の良さそうな娘をさらっていました。
今年も鱶九郎は12人もの娘をさらっていました。

娘達を船に押し込めると、ぎっこらぎっこらと船をこぎ出しました。
しばらく、進むと一寸先も見えないほどの深い深い霧に包まれました。

「あぶのうて船がすすめれんわ」
鱶九郎達は困り果てました。

腕を組んで立ち往生していると一人の娘が鱶九郎に話しかけてきました。
「わたくしはこの浜のものです。安全に進めるようにご案内致しましょう」
とても涼やかな声で船を導いて行くさまは神々しさすら感じるほどでした。

しばらく進むと娘が言いました
「あの島に船をつけて、少しお休みされるとよろしいでしょう」

船が島に着くと、娘は霧の中島の奥へ行ってしまいました。
やがて、霧も晴れて来たので出航しようと後ろを振り返った鱶九郎達思わず大声をあげます
「あ!!」

役人の船が2艘、物凄い速さでやってきました。
あっという間に、鱶九郎達は捕らえられてしまった。

鱶九郎達から島の奥へ入った娘の話を聞いた役人達は鱶九郎を連れて娘を探し回りましたが見つかりません。

島の奥へ進み何気なくお堂の中を除くと鱶九郎は驚きました。
なんと、お堂の中には娘そっくりの顔をした弁天様が座っていらしたのです。
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「弁天様じゃったのか・・・」
さらわれた娘達はそれを聞いてみんなで手を合わせました。

その島は海潟温泉の真ん中の江の島というところだったそうです。


「江ノ島の弁天様」登場人物

<鱶九郎>
夏になると現れる人さらい

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