» 金太郎「神奈川県民話」

古代の物語

古代の物語

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金太郎「神奈川県民話」

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むかしむかし、平安時代中期にあたる天暦10年の事です。
宮仕えをしていた坂田蔵人と相模国の彫り物師の娘八重桐との間に元気な元気な赤ん坊が授かりました。

蔵人と八重桐は、八重桐が都に登っている時に出会い結ばれたのですが、
八重桐は赤ん坊を出産するために故郷の相模へと里帰りをしておりました。

赤ん坊が産まれて八重桐は夫の待つ都へと向かう道中の事でした。
蔵人の訃報が八重桐の耳に入ります。
悲しみにくれた八重桐は都に戻らずに故郷である相模国足柄山の山奥でひっそりと赤ん坊と暮らしたのでした。

赤ん坊は金太郎と名付けられすくすくと成長しました。
金太郎は産まれた頃から元気で力が強く、7歳になった時には軽々と石臼や俵を軽々と持ち上げ、相撲を取らせても大人をなぎ倒すほどでした。
相撲で相手になるものがいなくなった金太郎は八重桐にもらった大きなまさかり持ち、赤い腹掛け姿で森に入り木こりの真似事をして遊ぶようになりました。

いつものように森で遊んでいると木々の奥からギラリと目を光らせながら熊が現れました。
熊は怒鳴り声をあげます。
「誰だ!俺様の森を荒らして回るのは」

金太郎は怯むこと無く答えます。
「なんだ、この森に住んでいるくせにおいらを知らないのか?」
そう答えるとまさかりを投げ捨てます。

まもなく金太郎と熊は組み合いになりました。
金太郎は熊の足をかけておもいっきり放り投げたのです。

熊は謝り家来になることになりました。
すると、森の大将だった熊の後に続き兎やら猿やら鹿やら大勢の動物が金太郎の家来になりたいと現れました。

「よし。よし」と動物たちを家来にすることにしました。

それからは毎日八重桐の握った握り飯を沢山もって森に出かけました。
金太郎が口笛を吹くと森の動物たちがのそのそと集まり動物たちと野山を駆け相撲をとって遊びます。

金太郎は言いました
「相撲で勝ったものに握り飯を褒美としてやるぞ」

熊が穴を掘り土を集めて土俵をこしらえ
鹿が行司になり相撲が始まりました。

兎と猿の取り組みは決着がつかず相打ちに
熊と鹿の取り組みは熊が角ごと鹿を投げ捨て熊が勝ちました。

金太郎は笑いながらその様子を見ていましたが
最後になると自分が土俵の真ん中に立ち動物たち全員を相手に相撲をとるのです。

最初に猿が続いて兎と鹿が最後に熊が投げ飛ばされました。
金太郎は
「おいらが勝ったから握り飯はおいらのものだ。だから、みんなで分けよう」と言ってみんなで握り飯を食べました。

握り飯を食べ終わりみんなで帰る途中で鬼ごっこをして帰ります。
追っかけ合いをしているうちに大きな川が流れて居る所に出てきました。

川は轟々と音を立て流れ橋もかかってはいません。
動物たちは「大将、引き返そうよ」っと言いますが金太郎は
「な~に平気さ」っというと持っていた大きなまさかりで巨木を倒すと橋にして川を渡ります。

金太郎

動物たちは呆気にとられながらも後をのそのそとついて行きました。
そのようすを岩の陰から見ていた木こりが不思議な少年だなぁっと思い後をつけます。

動物たちと別れて、谷を越え、崖を渡り深い山奥の小屋までつくと金太郎は小屋の中に入って行きました。
小屋の中からは伊褒理が立ち込めています。

木こりがそっと小屋の中を除くと金太郎が山姥に動物たちと遊んだ話を聴かせていました。
なんと、八重桐は蔵人を失った悲しみから山姥となっていたのです。

木こりは小屋に入ると
「今度は私と相撲をとろうではないか」
っと金太郎を誘います。

金太郎は面白がって誘いにのりました。
木こりと金太郎は組み合い、押し合いしますがとうとう決着が付きませんでした。

すると木こりはかしこまり八重桐に話しかけました。
「突然失礼致しました。先ほど森で巨木を倒す少年を見てついてきたのです。今相撲を取り少年の怪力にいよいよ驚きました。この少年は将来大物に成ることでしょう。」
木こりは八重桐にお辞儀をすると今度は金太郎に話しかけます。

「どうだい、都に出て武士にならないかい?」
金太郎は目をキラキラさていいました。
「武士になりたいなぁ」

実はこの木こりの正体は碓井貞光という武士で主人である源頼光の命令をうけて強い男を探して日本中を旅している道中でした。

八重桐はたいへん喜んで
金太郎の父親である坂田蔵人の事や今までの生い立ちを話しました。
八重桐は話し終えると「どうぞ、この子をよろしくお願い致します」っと碓井貞光に金太郎を預けました。

それを聞いた金太郎は踊るように喜びました。

しばらくすると金太郎が武士に成るためにこの山を去ると聞きつけた動物たちが別れの挨拶にやってきました。
「大将がいなくなると寂しいなぁ。きっと立派になって帰ってきてね」
金太郎は動物たちに言います
「これからも仲良く遊んで暮らすんだ」

そして、八重桐の方に振り返り
「母上、行ってまいります」っと挨拶すると碓井貞光について都に旅立ちました。

それから幾日もかかり都にある源頼光のお屋敷に到着しました。
碓井貞光は「相模国足柄山の奥地で強そうな少年を見つけてまいりました」っというと源頼光に少年の事を報告しました。

源頼光は小さくも力強そうな少年を見つめて頭を撫でながら言いました。
「これは強そうな少年だな」
源頼光は続けて言います。
「そなたの父上は坂田という宮中のものであったな。ならば、そなたは今日から坂田金時と名乗るがよい」

その日から金太郎は坂田金時と名乗り源頼光に仕えることになりました。
大きくなった坂田金時は渡辺綱、卜部季武、碓井貞光と肩を並べる程の立派な武士になり彼ら4人は頼光四天王と呼ばれるようになりました。

主人の源頼光や他の四天王とともに大江山の酒呑童子という鬼や土蜘蛛退治など様々な鬼や悪人と戦い武功を立てました。


「金太郎」登場人物

金太郎
産まれた時から力が強く相撲では大人もかなわない
<熊>
森の親分で暴れん坊
<碓井貞光>
源頼光の側近で強い男を探して全国を旅している

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