» 養老孝子伝説「古今著聞集-十訓抄」

中世の物語

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養老孝子伝説「古今著聞集-十訓抄」

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養老孝子伝説(養老の滝のいわれ)

昔々、奈良に都があった頃、美濃の国(現在の岐阜県)の多度山麓に、源丞内(げんじょうない)という貧しい若者が、老父と一緒に暮らしておりました。
親孝行の丞内は、毎日山で薪を拾っては町で売り、稼ぎがあれば父の唯一の楽しみのお酒を買って帰っていました。

ある日のこと、丞内はいつものように薪をとりに山の奥深く入ったところ、岩のごつごつした崖にでました。
そろりそろりと用心して歩いていましたが、苔の生えた岩に足を滑らせて沢へ落ちてしまいました。

しばらく気を失っていましたが、落ちたところがよかったのか幸いけがはなく、ふと起き上がると、どこからかお酒の匂いがします。
匂いをたどっていくと、岩の間から、こんこんと湧き出る泉がありました。よく見ると、その水はお酒とそっくりの色なのです。
もしやと思い、丞内が水をすくってなめてみると、それはまぎれもなくお酒でした。
それも今までに飲んだ事がない、かぐわしく霊妙な味でした。
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はじめは夢かと思った源丞内も、大喜びで「あら、ありがたや、天から授かったこの酒」と、すぐさま腰に下げた瓢箪に泉の水をいれて、大急ぎで家に帰りました。

父も半信半疑でしたが、一口飲んでは驚き、二口飲んで額を叩き、三口飲んでは手を打って大喜びしました。それからというもの、丞内は毎日泉の水をくんで帰りました。

この不思議な出来事は村じゅうの評判となり、ついには時の帝・元正天皇の耳にまではいりました。
霊亀3年(717年)9月、帝はこの地へ行幸され、泉をご覧になり、
「これもひとえに親孝行の思いが、天地の神々に通じたのでしょう。」
と、ほめ讃えられ、丞内を美濃国守に任命されました。

そして「老人を養う」ことから、この泉は「養老の滝」と名付けられ、11月には年号が養老に改められました。


「養老孝子伝説」登場人物

<源丞内>
貧しいが孝行息子な若者。
<源丞内の父>
酒好きな源丞内の父。

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