» 鳴虫山の祢々(ねね)「栃木県民話」

中世の物語

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平安時代の雅から一変武士の社会へと
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鳴虫山の祢々(ねね)「栃木県民話」

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その昔、日光の鳴虫山という山に「ネーネー」と鳴く、虫の妖怪が棲んでいました。
人々はこの妖怪を「祢々(ねね)」と呼び、おそれていました。
祢々(ねね)は人々に悪さを働き、大変頭を悩ませていたからです。
かといって祢々(ねね)を退治しようという勇敢な人は現れず、人々は悲嘆に暮れるばかりでした。

そんなある晩、日光・二荒山神社の拝殿に安置されていた御神刀のうちの一振りが、カタカタ…とひとりでに動きだしたではありませんか!
この刀、山金造波文蛭巻大太刀(やまがねづくりはもんひるまきのおおだち)といい、全長3.4m、刃の部分だけでも2.2m、重さ22.5kgというとても大きい太刀で、人が使える代物ではありません。

刀はスーッと、ひとりでに鞘から抜け、拝殿を飛び出すやいなや、祢々(ねね)めがけて一直線に飛んでいきました。
祢々切丸
びっくりした祢々(ねね)は、鳴虫山を抜け出しましたが、刀は追いかけるのをやめません。

大谷川を渡り、向かいの沢を駆け上り、遂に二荒山神社で刀は妖怪を追いつめて、妖怪を斬り、見事に退治しました。

祢々(ねね)が逃げた大谷川向かいの沢は「祢々が沢」(現在の安養院沢)と呼び、妖怪を退治したこの大太刀は「祢々切丸(ねねきりまる)」という号がつきました。

刀は現在も健在で、日光・二荒山神社の宝物館でいつでもお目にかかれるということです。


「鳴虫山の祢々」登場人物

<祢々(ねね)>
日光・鳴虫山に棲む妖怪。「ネーネー」と鳴き、人々に悪さを働く。

<山金造波文蛭巻大太刀(やまがねづくりはもんひるまきのおおだち)>
日光・二荒山神社の拝殿に安置されていたという日本一の大太刀。作者不詳。現在は同神社の宝物館で観覧することができる。重要文化財。

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