» 国生み-黄泉の国-「古事記 -712年献上 作者:太安万侶 -」

古事記

古事記

古事記は存在する日本最古の歴史書。
上巻は日本神話、中巻は神武天皇から
応神天皇までの記事、下巻は仁徳天皇
から推古天皇までの記事が収られます。

国生み-黄泉の国-「古事記 -712年献上 作者:太安万侶 -」

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大日本豊秋津島(本州)を産んだ伊邪那岐(イザナギ)、伊邪那美(イザナミ)は、児島半島(建日方別)、小豆島(大野手比売)、周防大島(大多麻流別)、姫島(天一根)、五島列島(天之忍男)、男女群島(天両屋)をお産みになります。
この6つの島を産み終えると「既に国を産みへて、更に神を産みき」と言い放ちますと多くの神々をお産みになります。

初めに大事忍男神(おおごとおしおのかみ)と申します国産みを成したことを告げる神がお生まれになり、次に家宅六神と呼ばれる壁土、石巣や石砂、玄関、屋根、防風の神の家宅を守る6神が降誕されます。
次に産まれたのは、大綿津見神と申します海の神。次に速秋津日子神(はやあきつひこのかみ)と速秋津比売神(はやあきつひめのかみ)と申します河口の男神と女神がお産まれになります。続いて、伊邪那美が煙る朝霧を吹き払いその息から志那都比古神(しなつひこのかみ)と申します風の神が産まれました。次に久久能智神(くくのちのかみ)と申します地の神がお産まれになります。

次に山の神である大山津見神(おおやまつみ)と草の神である鹿屋野比売神(かやのひめのかみ)をお産みになりこの2柱の神は夫婦となられます。
伊邪那岐と伊邪那岐が産んだ神々もお力を合されて多くの神をお産みになりました。河口の神々は、泡の神、懇々と湧き出る水の神、水をすくう柄杓の神が降誕されます。
山の神と草の神からは、土の神、山に立ち込める霧の神、霧の奥に無限に広がるような深く暗い谷の神、山の傾斜を作る神が降誕されます。

神々は、国を産み、森羅万象の神々を産み、国の元を修め、理(つく)り、固めて成り立ててゆきます。
伊邪那岐と伊邪那美は次に天鳥船(アマノトリフネ)という船の神をお産みなります。天鳥船は、石のように硬い楠の木で出来た体を持ち、空や海をまるで水鳥のように進む事が出来ました。
次に大宜都比売神(オオゲツヒメ)と申します実りや食べ物の神様がお産まれになります。

続いて伊邪那美は、火の神カグヅチを身ごもられ出産されました。伊邪那美は、出産する時に火の神の業火で陰部を焼かれてしまわれます。
苦しみから反吐を量れるとそこから鉄山の神が産まれ、下痢からは土器を作る時に使う粘土の神が産まれ、尿からは、田畑の肥やす神が産まれました。
そして、とうとう伊邪那美は火の神を出産した事が原因でお亡くなりになるのです。伊邪那岐は伊邪那美の顔のそばに伏せて「愛する妻よ、そなたは一人の子の為に死んだというのか」とお嘆きになり、悲しみの涙にくれその悲しみの涙は美しい泉の神となりました。

伊邪那美は、島根県の比婆山に祀られました。

伊邪那岐は、激怒して天尾羽張という10握りもある大きな剣でカグヅチの首を切られました。その血は辺の岩にほとばしり石の神、剣の神、火花の神、雷神の建御雷之男神が成されました。
伊邪那岐の手元かあら指を伝り血が落ちた時に、谷間にある水の神がなさらます。

殺されたカグヅチの遺体からは、山々の神が成されました。伊邪那岐は、亡くなった妻を恋しい思いはぬぐえず黄泉の国(死者の世界)へと降られました。
黄泉の国についた伊邪那岐は「愛しい妻よ、そなたと成してきた国造りはまだ終わってはいない。一緒に帰ろう」と語りかけます。すると、伊邪那美は「なんとも悔しい事でしょう。私は黄泉の国で炊いた食事を食べてしまいました。しかし、愛しい貴方がわざわざおいでになられたことは恐れ多い事です。私も共に帰ります。黄泉の国の神と相談してみます。その間決して私を覗かないで下さい。」と言い残して建物の中に入って行きました。

伊邪那岐は長い時間待ちましたが伊邪那美は一向に姿を表しません。我慢が出来なくなった伊邪那岐は髪に結っていた櫛の歯を1本おり火を灯しました。
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中を覗くと伊邪那美は横たわり体中にウジがたかり、頭には大雷、胸には火雷、腹部には黒雷、左手には若雷、右手には土雷、左足には成雷、右足には伏雷という悍ましい姿になっています。

伊邪那岐は、恐ろしさのあまり逃げてしまいます。伊邪那美はそれに気が付き「我に恥見せつ(よくも私に恥をかかせましたね)」と恐ろしい声で言い放つと黄泉醜女に伊邪那岐を追わせました。
迫り来る醜女たちに対して伊邪那岐は、蔓草の髪飾りを投げました。すると、髪飾りは山葡萄に変わりました。醜女たちは山葡萄をあさましく食べている間に逃げました。しかし、またすぐに追いつかれそうになります。

そこで、次は櫛を投げるとたちまち櫛は筍に変わります。醜女たちはそれを争いあい食べている間に再び逃げます。次に追ってきたのは伊邪那美の体に巣くっていた雷神と数多の軍勢がです。
伊邪那岐は天尾羽張を抜き放ち後ろ手に振り返りながら逃げに逃げました。やっとの事で黄泉比良坂まで逃げきるとその麓にあった桃を3つ投げつけますと追手は慌てて逃げ出しました。

伊邪那岐は桃の木に「私を助けたように地上に暮らす人々が苦しむ時には助けてほしい」とおっしゃり桃の木に意富加牟豆美命(おおかむずみ)という神の名を与えました。
最後になって伊邪那美が自ら伊邪那岐を追いかけて来ました。そこで伊邪那岐は千人力の力を出して黄泉の国の出口を大岩で塞いでしまわれました。伊邪那美は大岩を隔てて「愛しき貴方様がそのような事をなさるのでしたら、私は貴方の子を一日に1000人殺しましょう」と凄まじい口調でおしゃられます。

伊邪那岐は「愛しいそなたがそのような事をするのであれば、我は1日に1500人の子を産もう」とお答えになりました。この日を境に伊邪那岐と伊邪那美は離縁致しました。この日から寿命が出来ました。ただ、人が寿命で死んでも人は増え続けるのです。

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「黄泉の国」登場人物

<伊邪那岐命>
神世七代の最後に生まれた男神。日本の国々や天地の神を伊邪那美と共にお産みになった。
<伊耶那美命>
神世七代の最後に生まれた女神。日本の国々や天地の神を伊邪那岐と共にお産みになった。

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